昨今、大相撲界の不祥事が毎日のように取りざたされています。国技として長い歴史がある大相撲ですので非常に残念ですね。早期の沈静化を期待しましょう。ところで、大相撲を取り仕切る組織は「日本相撲協会」が正式な名称のようですね。そして、公益財団法人。そこで疑問に思ったのは「公益財団法人」とは一体何か…。解説していきます。
日本相撲協会とは
少し難しい言い回しですが日本相撲協会については以下のように説明されています。
大相撲興行の幕内最高優勝者に対して「摂政宮賜杯」(現在の天皇賜杯)を授与するために1925年に財団法人として設立され、2014年に公益財団法人に移行した法人である。
(引用:ウィキペディア)
広くいうと「公益法人」といって、社会全体の利益を目的にしている法人でもある日本相撲協会。一般的な法人(企業)は会社の利益(営利)を目的に活動するわけですが、公益法人はそうではありません。
では、日本相撲協会は何を目的に設立されているかと言えば、相撲を社会全体に普及すること、競技として指導すること、相撲に関する伝統的な文化を普及することが目的になっています。
相撲の普及以外にもの本相撲協会には「社会貢献部」と呼ばれる部署もあるよで、最近では東日本大震災や熊本地震での災害支援を行なっています。
財団法人について
財団法人とはいいますが、通常は一般財団法人といいます。2008年(平成20年)の新公益法人制度により設立が認められるようになったのが一般財団法人。
制度改正で登記のみで設立が可能となっています。これまでは内閣総理大臣や都道府県知事の許可が必要でしたが少し簡単になった印象です。設立が終わると団体の名前で銀行口座や不動産の取得も可能となります。定款作成や理事、評議員の選任、評議員会・理事会の設置などの流れに沿って登記が完了すると一般財団法人の設立完了。
登記がなされていない団体は代表者との取引なのか、団体を構成している人なのか、わかりにくくなります。登記をしていると取引が分かりやすくなり、財産の区別もしやすくなります。
一般財団法人は登記のみで設立が可能となりましたが、税制の優遇はありません。ただ、一般財団法人ならば利益追求のための活動も可能。(名目上は利益を追求しない非営利団体ですが)
では、相撲協会のように「公益」と名のつく財団法人は一般財団法人とどう違うのでしょうか。
公益財団法人とは
公益財団法人は「公益認定」を受けた財団法人となります。こちらは、内閣総理大臣や都道府県知事から認定を受けることになります。不特定多数の者の利益(公益)になる事業をするのか、公益目的にお金が使われるか、役員の報酬が理由もなく高額になっていないか、団体自体が他の企業の株式などを過半数保有していないか…。
それらの基準を満たすことが公益財団法人になるための要件になるのです。厳しめの条件がありますが晴れて公益財団法人になると税制の優遇が受けられます。
公益になるための事業に関しては法人税が課せられませんし、寄付を受けた時も費用の一部扱いになるため税も安くなるわけですね。逆に寄付をした人も控除を受けることが可能でメリットがあります。
公益財団法人については以下の記事でも紹介しています。どうぞ、ご覧ください。
公益財団法人は給料がいい?年収や採用情報・組織情報まで調べてみた!
公益財団法人の給料口コミから平均年収を比較!トヨタと比べたら…
気になる相撲界のお金の話
ざっくりですが日本相撲協会は一般的な企業ではなく公益を目的にしている公益財団法人とはお分かりいただけたでしょうか。気になったのはお金の話。協会の収入源や力士の収入、立場などなど。それらを見ていきましょう。
まずは力士の年収ですが以下の引用をご覧ください。
公益財団法人である協会の寄附行為施行細則には、番付ごとの月給の数字が記されている。手当を含めたその額は、「横綱282万円」「大関234万7000円」「三役169万3000円」「平幕130万円9000円」「十両103万円」だ。
幕下以下には場所手当(およそ7万円)や巡業手当が出るのみで基本給はゼロ。だからこそ十両以上が「関取」と呼ばれ、土俵入りや大銀杏を結うことが許される。大関から横綱に昇進したことで、稀勢の里の月給は約50万円アップ。基本給が年収ベースで600万円も上がったのだ。
さらに、2か月に一度ある本場所のたびに、力士には過去の成績に応じた「力士報奨金」が支払われる。報奨金は勝ち星や優勝回数、金星の数によって細かく規定され、好成績を積み重ねれば、どんどん加算されていく仕組みだ。
(引用:NEWSポストセブン)
ご存知の方も多いかもしれません。十両以上の番付、いわゆる関取になった途端、月給が発生しますね。だから、何が何でも十両の地位は守りたいし、登りつめたいわけですね。幕下に陥落したら引退する。そう決めている力士もいるようです。
実力次第で大金を手に入れられる夢のある舞台ですね。ちなみに、力士も含めて相撲協会に所属している人たちは財団法人に所属する「団体職員」という立場。公益財団と名前がつくので公務員と勘違いする人もいるとのこと。
相撲協会には力士を含め1000人ほど在籍する団体。特に、力士に支払う高額な給料を考えるとどこからその収入があるのかも疑問に思います。
まずは、2ヶ月に1度行われる本場所を観戦しに訪れる人が購入するチケット。それから、本場所がない時に行われる地方巡業での収入(チケット代など)。グッズやお土産の売り上げ、懸賞金・広告収入、テレビ放映権、タニマチ(力士や相撲部屋のスポンサー)などなど多くの収入源を持っています。
よく、財団法人などの公益法人は一般的な企業よりもビジネスモデルがしっかりしていないといけない…と聞きます。そういう意味で様々なところから収入のある相撲協会は優秀ではないでしょうか。事実、日本相撲協会はずっと黒字経営の超優良法人。
有名企業や経営者も設立する財団法人
一般財団法人を設立している経営者で有名なのは、孫正義さんですね。「孫正義育英財団」を設立しています。こちらは一般財団法人です。未来を創る人材の育成を目的に施設運営や環境整備を行なっているようです。
代表理事が孫正義ソフトバンクグループ代表、副代表理事は京大iPS細胞研究所所長の山中伸弥さん、評議員には将棋の羽生善治さんも名を連ねています。気になる方はこちらをのぞいて見てください。
そもそも、言ってみれば大富豪の方が財団をもつ意味はなんなのでしょうか。それは、財産の運用かもしれません。財団法人を設立するには基本財産を拠出(出し合い)をしなくてはいけません。
自分の財産を設立のために拠出し、公益性の高い活動ができたり、公益財団法人になると税の優遇もあります。税の優遇は逆の考えで言えば、財産を守ることにもつながります。ただ、孫さんほどの人物であれば社会に一石を投じようと設立する人もいるかもしれませんね。
設立のメリットに比べ、デメリットはほぼないと考えられます。公益財団法人になって税の優遇を受けたいのならば条件を満たす必要があること。そのハードルが高いこと。設立までに時間がかかること。それぐらいでしょう。
財団法人は社会貢献が目的
公益を目的にしていることから、相撲協会のように不祥事があると批判の対象になりやすい財団法人。しかし、デメリットよりもメリットの多い法人でもあります。何か起業を考えている方は選択の一つにしてみてはどうでしょうか。
■今回紹介した記事のおさらい
公益財団法人は給料がいい?年収や採用情報・組織情報まで調べてみた!
公益財団法人の給料口コミから平均年収を比較!トヨタと比べたら…
公益財団法人への就職は難しい?知らないと損する求人選びのコツを紹介!
■公益財団法人である高野連(高校野球)の記事もあります
高校野球の日程2019日年版!高校野球の情報を知る方法もまとめてみた!
最新情報をお届けします
Twitter でフォローしよう!
Follow @zyouhouhasin47
この記事へのコメントはありません。