公益財団法人という組織をご存知でしょうか。就職活動中の人の企業選び候補にもあがっているでしょう。
「公益」ということから、公的なイメージや就職先として安定したイメージを持つ人もいます。収入が安定した職業といえば、公務員です。
この記事では、公益財団法人と公務員の違い、就職後のメリットやデメリットを解説します。企業選び、就職(転職)活動の参考にしてください。
Contents 目次
公益財団法人とは公益性を認められた財団
はじめに、公益財団法人の基礎知識を解説します。
公益財団法人は、一般財団のなかでも行政庁から公益性を認められた財団法人です。各都道府県などから認可を受けた財団法人が、公益財団法人となります。
この記事では、解説を省略しますが公益財団法人の認可を受けるには様々な条件をクリアする必要があります。晴れて公益財団法人となると、法人税といった税制面での優遇を受けることが可能です。
公益財団法人「助成財団センター」によると、2019年3月現在の公益財団法人数は5,458となっています。
2019年3月現在の財団・社団の数は、公益財団法人5,458、一般財団法人7,311、公益社団法人4,188、一般社団法人54,769ある。(引用:日本の助成財団の現状 -概況)
全国には非常に多くの公益財団法人が、存在していますね。それぞれの公益財団法人で働くには、求人を出している法人に応募して採用試験をパスしなければなりません。
公務員が属する組織は国や地方自治体
次に、公務員について解説します。
多くの人が知っているように、公務員は街の役場(役所)や都道府県庁などに勤務する地方公務員と国の関係機関に勤務する国家公務員にわけられます。国際的な期間で働く、国際公務員もいますね。
公務員は学歴などで採用試験が区別され、職種も様々です。人事院の資料をもとにすると、国家公務員は約58万人。総務省の資料によると、地方公務員は全国で274万人程度になります。
合計すると330万人くらいの公務員がいるわけですね。
公益財団法人と公務員は運営組織が異なる
簡単ですが、公益財団法人と公務員について説明しました。
結論をいうと、公益財団法人と公務員の違いは運営組織です。公益財団法人の運営は、国や都道府県が関係しないことがあります。
たとえば、自動車メーカーで有名なトヨタも「トヨタ財団」という公益財団法人を運営しています。多岐にわたる分野で社会貢献を行っています。
そのほか、日本サッカー協会、日本大相撲協会などスポーツ関係の公益財団法人も存在します。公益財団法人は公益、つまり、社会全体の利益が目的です。
公益性の高さはありますが、公益財団法人自体は民間企業に分類されます。しかしながら、公務員の天下り先になっている法人もあるようですね…。
一方の公務員は、地方自治体(都道府県や市町村)か国が運営する組織に属します。私たちの生活に欠かせないサービスを提供するのが公務員です。
国民や住民に平等に働くことが目的であり、営利(利益)を目的としていません。公益財団法人は、「公益を目的にする事業が50%以上」という条件はあるものの、営利を絶対に求めていけないわけではありません。
その点が両者の違いでしょう。
公益財団法人…公益性の高い民間企業(営利目的がダメなわけではない)
公務員…地方自治体や国が運営し、営利目的ではない
簡単にまとめると、以上のような違いがあります。
公益財団法人に就職したときのメリット・デメリット
ここからは、公益財団法人に就職したときのメリットとデメリットを解説します。
メリット
公益財団法人に就職すると、以下のメリットがあります。
・給与や福利厚生は公務員準拠の場合がある
・解雇(クビに)されにくい
・ワークライフバランスが重視できる
公益財団法人には、各自治体や国の外郭(がいかく)機関があります。その場合、職員として働くと公務員に準じた給与や福利厚生が期待できます。
しかし、全ての公益財団法人がそうではありません。次のツイートをみてください。
内定もらたー
前職が一般財団法人だったけど今回は公益財団法人笑
給与はめっちゃ下がるけど時間会と夜勤はなくなるぞー⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
— オワタタ (@motomotomotto23) March 2, 2018
「給与は下がる」との書き込みですね。しかし、公務員と似たような特徴でいえば、クビになりにくいところです。
公益財団法人は、国などからの補助金を受けることもあり、前述の通り税制上の優遇もあります。そのような面から経営は安定しやすく、職員もリストラされにくいのです。
また、先に紹介したつぶやきにもあるように、勤務時間のバランスのよさがあります。長時間の残業や休日出勤を求められることは少ないでしょう。
完全な営利目的の組織ではないので、バリバリの成果を求められることも少ないです。そういった意味で、仕事とプライベートの両立はしやすいと考えられます。
デメリット
公益財団法人は、営利目的ではないので成果を強く求められることはありませんでした。しかし、それがデメリットになることも…。
たとえば、「成果を出してインセンティブ(歩合給)をもらいたい」と考えるような人であれば、評価されにくいです。
バリバリ仕事をこなして、利益を出そうとしても組織として利益を重視していません。成果を出すことにやりがいを感じる人は、公益財団法人で働くことに物足りなさを感じるでしょう。そのような場合は、一般的な民間企業を選択肢にしてください。
利潤を目的にしないことから、そもそもの給与や安い場合もあります。
それから、法人によって高い学歴、特別な資格といった高いハードルを設けることもあります。募集人員が少ないなど、内定までの競争が激しい法人も…。
また、公益財団法人で培ったスキルは民間企業では活かしにくいといわれます。公益財団法人から民間企業に転職する場合、転職活動で苦労する可能性もあるでしょう。
求人サイトや転職エージェントなどを活用して効果的な就職活動をする必要があります。
公務員になったときのメリット・デメリット
ここから、公務員になったときのメリットとデメリットをみていきましょう。
メリット
公務員のメリットには、以下があります。
・安定した収入(将来設計が立てやすい)
・住宅ローンなど大型の借り入れがしやすい
・社会的信用度が高い
公務員になった場合の大きなメリットは、収入が安定することでしょう。ボーナス、退職金も支給されます。景気に左右されず、安定した収入が得られるのは魅力です。
今となれば、珍しいですが公務員は年功序列の給与体系になることが多くなります。年齢と共に収入が増加していくのも特徴です。
そのように収入が安定していることから、マイホームやマイカーの購入時にローンを組みやすくなります。将来設計がしやすいでしょう。
また、「公務員です」と聞けば、信用度も高まります。ローン関係に対する社会的信用だけではなく、対人関係での社会的信用も得られます。
デメリット
公務員のデメリットは、公益財団法人のデメリットに似た部分があります。
収入面では、成果に応じた報酬を得ることはできないでしょう。頑張りを評価してほしい人は、やりがいを感じにくいかもしれません。「国民や住民のために」という使命感で仕事ができるかが大切です。
そして、公務員が不祥事を起こすと、該当者でなくとも肩身が狭くなるものです。税金が給料となっているため、厳しい声が出てくるのも仕方ないですね。
副業を認める民間企業は増えてきましたが、公務員の副業は原則的に禁止です。決められた収入以上をのぞむことができません。
公益財団法人と同様で、自分の能力やスキルを試したい人は公務員には向かないと考えられます。以前に比べ、公務員人気は低下していますが、競争倍率も高めです。
公益財団法人と公務員の比較
ここからは、個人的な見解を述べたいと思います。
公益財団法人も公務員も収入面では安定している仕事になります。しかしながら、インセンティブがないなど、大幅な収入増加を目指すことは厳しいです。
両者の違いは、運営組織が違うことくらいになります。
また、いずれも内定を勝ち取るには難易度は高い傾向です。自分が何をしたいのかを軸に、就職先を探す必要があるでしょう。
公益財団法人と公務員の違いを理解して就職活動しよう
公益財団法人は民間企業、公務員は国や地方自治体が運営。両者の違いはそこにあります。給与などの待遇は、公務員の方が魅力があると考えます。
しかし、公益財団法人は様々な組織があるため、自分の希望にマッチした法人がみつかりやすいでしょう。それらの特徴を把握して就職活動をしてください。
■こちらの記事も読まれています
【在宅副業で5万円稼ぐ】安全な仕事の選び方とおすすめの副業
公益財団法人とは?話題の相撲協会の組織・財団法人について調べてみた
公益財団法人は給料がいい?年収や採用情報・組織情報まで調べてみた!
公益財団法人の給料口コミから平均年収を比較!トヨタと比べたら…
公益財団法人への就職は難しい?知らないと損する求人選びのコツを紹介!
おすすめの転職エージェント&転職サイト7選|自分にあったものを選ぶ方法
最新情報をお届けします
Twitter でフォローしよう!
Follow @zyouhouhasin47
この記事へのコメントはありません。