働き方

学習塾の仕事内容とは?収入や将来性など私が10年経験した全てを公開します

教室 黒板

世の中には様々な仕事が存在し、誰しも何かしらの職業で働き、生活しています。私もアルバイト、正社員など様々な雇用形態でいろんな仕事を経験してきました。その中で最も職歴として長かったのが「塾講師」です。アルバイト時代も含めれば10年の経験があります。

 

塾の先生と聞けばどのようなことを思い浮かべますか?「大変そう」、「給料が良さそう」などなど様々な印象をお持ちかと思います。その印象通りの部分もあれば、意外に知られていないことだってもちろんあります。

 

そこで、今回は10年間経験した塾講師についていろんなことを紹介したいと思います。アルバイトで塾の先生をしたい、正社員として働くにはどうしたらいいのか…。塾業界には興味があっても不安な部分が多いかと思いますので、私の体験談がお役に立てればと思っています。

 

 

 

 

塾講師になったきっかけ

 

勉強する人

 

まずは私がなぜ、塾講師を始めたのか。そのきっかけをお話ししたいと思います。もともと私は中学生くらいの時から教師になりたいと考えていました。

 

教師はもちろん、教員免許を取得して採用を行う地方自治体の採用試験を合格しなければなりません。まあ、それは何も問題ではなかったのですが、高校1年か2年のときに進路講演会があり考えが急転します。

 

一応、進学校と呼ばれる学校に通っていましたのでもちろん、進学を念頭に入れていましたが一人だけ高卒で公務員になった先輩が体験談を話していました。

 

そのときに「高校卒業で公務員になれば、別に大学卒で就職活動しなくてもいいのか…」とかなり安易な、今思えば舐めた感じの理由で高卒公務員を目指し始めます。

 

私が高校生の頃の2000年代前半は就職氷河期と呼ばれている時代でもありましたので「一生安泰」な公務員を目指す人はかなりいたと思います。

 

私も公務員を目指し、高校2年の終わり頃から「一応」勉強をし始めます。今は名称が変わっていると思いますが高卒国家公務員の「国家Ⅲ種」をはじめ「地方初級」、「裁判所事務官」などなど高卒程度で受験可能な試験には出願しました。

 

ところが、高校3年の秋に受験した職種は全て不合格…。家族とも相談して大学の受験ではなく、専門学校に入学して翌年の採用試験に望むことにします。

 

しかし、結果だけ言えば翌年も2次試験をパスできず1年間だけアルバイトをしながら受験勉強しようと思い、塾講師をはじめます。ただ、この塾講師を選んだところが人生を変えたと言ってもいいくらいの選択でした。とりあえず、「楽しい」という感覚だけでいつしか公務員を目指さなくなっていましたので。

 

さほど大きなきっかけもなくはじめた塾講師ですが10年ほど経験した職種ですから学んだことも見えてきたこともたくさんありました。具体的には次のテーマから詳しくお話ししていきます。

 

 

どんな塾で働いてきたか

 

勉強する女の人

 

私は塾講師として10年働いてきたわけですが、個別指導と集団塾で勤務しました。どのような塾だったかを紹介したいと思います。いずれの塾に関しても具体的な塾名や教室名は控えさせていただきます。

 

個別指導塾(8年)

勤務歴の大半を占めたのが個別指導の塾でした。個別指導とは生徒1人から3人程度を受け持ち、巡回しながらそれぞれに指導していく形です。おおむね、90分が一コマの授業の長さで、小学生の場合は45分だったり75分だったりする場合もあります。

 

一般的に個別指導塾に通うお子さんは勉強が苦手だったりすることが多く、学校で学習した内容を補修していく形で指導することがほとんどです。

 

集団塾(2年)

個別指導塾を辞めた後にとある集団塾にお世話になり2年間働きました。集団塾は学校と同じように黒板に板書していき授業を進める形です。授業時間は50分でしたので学校とはほぼ変わりませんね。

 

最近の学習業界では映像授業によって生徒個人が進捗を管理したりする塾、ビデオ通話(スカイプなど)を使って先生と生徒が繋がって授業をする形態も増えてきましたが、私が働いたのはリアルな人を対象とする学習塾です。

 

 

塾講師時代の仕事内容

ここからは具体的にどのような仕事をしてきたのかを振り返りたいと思います。「学習塾で働く」=「勉強を教える」わけですがそれ以外にも結構仕事はあるんですよね…

 

個別指導塾

個別指導塾で勤務していた頃を思い出すと…以下のような流れで1日が流れます。

 

  1. 教室に入室
  2. その日の担当生徒の確認
  3. 授業準備、予習
  4. 授業
  5. 生徒さんの見送り
  6. 報告書作成、チェックを受ける
  7. 後片付けして帰宅

(授業準備に支障がないくらいの入室で変えるのは21時から22時くらい。春、夏、冬の学校が長期休暇に入ると授業数も増え、多い時だと1日5コマくらいを担当する事もあります。教室長になれば13時くらいからの出勤で帰りは22時以降になる事も)

 

ざっくりと振り返るとこんな感じです。特に、講師をはじめた頃はどのように指導するのかなどをイメージするために念入りに準備をしたことを覚えています。

 

しっかり予習や準備をしても生徒が頑張ってどんどん進めば予定を超えるようなところまで対応しなければなりませんし、突発的な質問や想定外の質問もあるので「対応力」は必要だと思います。(もちろん、いきなりそんな力はつきませんから経験は必要ですが)

 

授業が無事に終われば生徒さんをお見送りして、報告書を作成します。報告書は簡単に言うとどんな授業をしたのかを作成します。「テキストの何ページ目から何ページまで行なった」、「確認テストの南蛮を実施した」やその日の生徒情報を記載します。「この部分の理解度がもう少しなので次回も再確認」などが生徒情報ですね。

 

この報告書は私が勤務していたところでは授業中に記載できましたので、受け持つ生徒が問題を解いている時間を利用してうまく記載するのがポイントでした。そうしないと授業が終わった後に残って何人分もの指導報告を書かなければなりませんので…。

 

受け持つ生徒に関して言えば、毎回、違う生徒を担当する可能性もあります。生徒さんから、いわゆる指名が入ったりすれば固定になりますが、基本は固定されていません。

 

この点は面白い部分でもあり、大変な部分でもあります。いろんな生徒と授業ができる楽しみはありますが、初めての生徒と当たる時にはどのような生徒かを掴むのに時間がかかったりもします。

 

個別指導は「コミュニケーション」が非常に大事で常に生徒との会話をしながら勉強するのも大事です。質問形式で生徒の理解力をチェックしたり、信頼関係を築くには勉強以外の話題も大事です。

 

業務で言えば勉強を教える事が大半を占めますが、時にはチラシ配りなど教室運営の補助業務もあります。それから、個別指導塾は教室責任者である「教室長」と「講師」に立場が分かれます。ここまで紹介したのは講師としての仕事内容ですが教室長となれば職責は変わります。

 

教室全体の管理になります。生徒の募集や売上管理、講師の監視や指導、保護者さんとの面談も含めた仕事になります。授業を担当する機会は少なくなりますが責任は大きくなります。

 

教室長は責任も出てきますから正社員かそれに準ずる形で採用され、講師はアルバイトとして勤務するのが多くの個別指導塾の構造となっています。私は両方の立場で関わりましたがどちらも楽しさ、大変さがあると思います。

 

やはり、教室長となれば教室の売り上げも考えなくてはならず、どうすれば生徒が増えるかなど試行錯誤ををしなければなりません。定期的な保護者さんとの面談で授業数を増やす提案を闇雲にすればいいわけでもありません。

 

友達紹介、駅や学校付近でのチラシ配り、各所への挨拶(あいさつ)回り…地道な行動を重ねないといけません。しかし、教室の規模が大きくなったり、もちろん、生徒が目標を達成した喜びは大きなものです。

 

集団塾

今度は集団塾での仕事内容を振り返っていきたいと思います。まず、私がお世話になった集団塾に私は正社員待遇で入社しました。こちらも大まかな1日に流れを記したいと思います。

 

  1. 教室入室
  2. 清掃など
  3. 他のスタッフとの打ち合わせやミーティング
  4. 事務処理
  5. 授業
  6. 生徒さんの見送り
  7. 後片付け、各種報告
  8. 帰宅

(教室入室は13時や日によって15時。帰りは22時から23時の間。長期休暇の時期は朝から夜22時くらいまでの勤務になる事も)

個別塾とは違い、集団塾では数学と理科の理系科目を担当しました。中学生がメインですが複数の教室を曜日を変えて担当しました。「月曜日はA教室の中学2年」、「火曜日はB教室の中学3年生」という感じです。

 

授業の準備を勤務時間にする事はあまりありません。せいぜい、授業で使うプリントなどを用意するくらいです。つまり、授業の準備は家で行うか、就業時間前などにしかできないのです。

 

どのような板書をすれば生徒が理解しやすいのか、どのように授業を進めるのかのシュミレーションが大事になります。みなさんも学校で授業の面白い先生がいた(いる)と思いますが授業にメリハリがあるはずです。

 

単調なしゃべり口ではなく強弱やスピードをつけて説明、板書も背中を向けず解説しながらする。そのような研究をしなければいけないのです。そもそも論として板書が綺麗に書ける練習もしないといけないので、はじめの頃は結構苦労しました。

 

しかし、1年間、色々と苦労して作り上げた指導内容(指導案)は毎年使えますので2年目以降の授業準備は格段に減ります。あとは授業を受けている生徒の反応や様子を見ながら問いかける質問を変えたりできるテクニックが身につくかだと思います。

 

「面白い覚え方はないかな…」、「どんな教え方がいいのだろう…」と日々、ンターネットで検索したり書籍を読んだことを思い出します。個別指導塾と同様で生徒と信頼関係を築くにはコミュニケーションを取りながらインパクトのある授業にする必要があります。

 

授業以外でも行う事はたくさんあって、掃除や飾り付けなど教室の環境整備はもちろん、細々とした事務処理、会社内での担当部門の仕事などがあります。定期的な保護者さんとのも面談もあり、1日中バタバタと終える日もありました。

 

正社員である以上は教室経営の側面も考えなければならず、売り上げの目標を立ててどのような行動をとるか…というのも考えて働いていましたね。

 

個別指導塾と同様で生徒募集のために学校の校門付近でチラシを配ったりもしますし、地道な業務も日々発生します。今思い出すと、1日があっという間に過ぎていたな…と思います。

 

 

収入や待遇について

今度は気になる待遇面ですが、塾で働いていると聞けばさぞかし高給取りではないかと思うかもしれません。額面的なところを見れば以下のような感じです。

 

アルバイト
時給1000円から1500円
(事務扱いなら時給750円程度)

 

正社員
月給20万円前後
(業績でボーナス支給)

 

みなさんがご経験されたアルバイトや働いている会社に比べてどうでしょうか。多分、そんなに高給ではないと思うでしょう。アルバイト講師として授業を担当すれば時給換算で1000円以上になりますが…授業準備や授業後の報告などを含めて拘束時間から考えると、実質的な時給はもっと下がりますね。

 

正社員の場合でも新卒、中途採用でも20万円前後ですからそこまで高いとは言えないでしょう。トヨタ自動車の新卒総合職(技術職)でも初任給は20万円程度です。国家公務員、地方公務員でも同水準のはずです。

 

そこからどう昇給、昇任して給料を上げていくかになりますが、塾のシステムによって変わると思います。私の働いていた塾では役職が上がるにつれて手当の支給がある感じでしたね。

 

それから、ボーナスも単純に「●カ月分」ではなく半期ごとの教室の業績や担当生徒数がどれだけ増えたか、教室や担当クラスの平均偏差値をどれだけ上げたかなどから判断され支給されます。この辺りは実力主義ですね。

 

ただ、運もあって例えば担当するクラスの平均偏差値がもともと高ければ伸びは少なくなるのでその査定においては高評価を受ける事は難しくなります。どこに配属されるかもポイントだったと思います。(これはあくまでも私が勤務していた塾の話ですが)

 

総合すると、給料が高いと思われる学習塾産業ですがそこまで高給ではないと言えますね。

 

 

休日や残業について

塾の先生のイメージとして「忙しそう」とい言うのも聞きます。休日や残業事情ですが、休日はしっかりありました。集団塾で勤務していた頃は隔週2休ってところで、夏は1週間、年末年始も5日ほど休暇があり旅行に行った記憶もあります。

 

アルバイト講師の場合は自分が担当する授業以外は特段何もありませんし、残業もほとんどないと考えていいと思います。しかし、正社員となればそうはいきません。突発的に親御さんから相談を受ければ遅くまで面談することもありましたし、何か教室内でトラブルがあればスタッフで残って話をすることもありました。

 

集団塾時代は22時半には帰りましょうとなっていたので逆に始業前に集まることがあったり。どんな仕事もそうですが勤務時間内に収まらない業務は必ず出てきます。残業がゼロになるのはほとんどないかと、今は振り返っています。

 

 

率直に塾で働いてみてどうだったか

トータル10年間、学習塾で働いてみて、私は率直に「楽しかった」の一言に尽きます。こんな事言うと、綺麗事のようにも思われるかもしれませんが…。

 

数百人もの生徒さんと出会っていろんな意味で私も成長させてもらいました。いろんな個性を持つ生徒がいて、接し方も人それぞれになります。自分なりに勉強や研究を重ねて生徒と過ごし、目標達成に至った時の感動は何ものにも変えられません。

 

一方で目標達成や志望校合格をさせてあげれなかった生徒もいます。今でも心残りに思う事は当然ながらあります。「あの時こうしておけば」と言う心残りを今、その生徒に何もできないわけですが自分の人生の教訓にしていこうと考えています。

 

いろんな経験をさせてもらった10年間には今でも感謝し、楽しかったと振り返っています。

 

 

なぜ塾講師を辞めたのか

ところで、なぜ、楽しい感じた学習塾での勤務を辞めたかもお話ししたいと思います。こちらも端的に言えば「新しい分野に挑戦」しようと思ったからですね。

 

接する生徒は毎日新しい目標に向かって努力をしている。自分も何か新しい事でもしてみようかな…と言った感じです。決して業界に嫌気がさした、職場環境で嫌なことがあった。そんなわけではありません。

 

正直、今でも副業的な感じで家庭教師をしていますので教育業界からはなかなか離れられませんね。

 

 

私が考える学習塾業界の将来性

これから学習塾でアルバイトをしてみたい、正社員として働いてみたいと言う方もいると思いますが気になるのは将来性だと思います。ただでさえ、少子化と言われている時代ですから就職しようとするには立ち止まってしまうかもしれません。

 

あの大手予備校と思われた代々木ゼミナールでさえ閉鎖した校舎が全国各地にあります。学習塾でも大手や中堅レベルの塾が提携をしたり業界も再編が進んでいます。特に地方の小規模な塾は淘汰される傾向があります。そうなれば働き口も限られてくるのは事実です。

 

しかし、学習塾・予備校市場の規模は緩やかに上昇している部分もあります。(教育産業市場に関する調査結果2015)あくまでも塾の市場は愁傷していませんが企業による努力や工夫は必須です。今後はタブレット端末などを導入して授業を行うスタイルなども必須だと考えられます。

 

そのような取り組みや時代のニーズに応えられるような学習塾は生き残れると思います。教育を取り巻く環境に常にアンテナを張り、動きをスムーズに取れる学習塾なのかを見極めて就活候補に入れてみましょう。

 

向こう100年で日本の人口は今の半分になるとも言われていますので、そこまでの予測はできませんし、する必要もないと思います。数年後、5年後、10年後、どのような市場になるか自分なりにも研究して働きたい塾を選択して下さい。

 

個人的には今後、タブレットを使った授業でいつでも映像を視聴することができて繰り返し授業を受けられるスタイルはポイントかと思います。塾に通えな日があっても塾と同じような授業が受けられるだけで「塾に通う、塾を選ぶ」と言うハードルは格段に下がると私は思っています。

 

そんなこんなで長々と書きましたが、何かの参考になれば幸いです。

 


 

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