野球シーズンも佳境に入りましたね。日本でもアメリカでも頂点を決める戦い、日本シリーズやワールドシリーズが開催されています。日本シリーズはセリーグ代表の横浜DeNAベイスターズとパリーグ代表の福岡ソフトバンクの戦い。しかし、横浜はセリーグ3位からの日本シリーズ出場。この事態に多くの方が様々な意見を述べていますね。そこで、今回、日本プロ野球のクライマックスシリーズとアメリカのポストシーズンのワールドシリーズについて比較していきたいと思います。

 

下克上と呼ばれたDeNAのCS突破

2017年のセリーグ、クライマックスシリーズは公式戦で3位の横浜が2位のタイガースに競り勝ち、さらに、優勝チームの広島も撃破して日本シリーズへの出場権を獲得しました。

中でも、ファーストステージの阪神戦では天候不順で雨が降りしきる中、選手たちは泥まみれになりながらプレーする試合もありましたね。

勢いそのままに、優勝チームの広島が立ちはだかるファイナルステージも初戦を落としましたがその後4連勝で19年ぶりの日本シリーズへ駒を進めるわけですね。

久しぶりに「下剋上」(げこくじょう)との言葉を聞くことになりました。セリーグでは3位チームが日本シリーズに進むことが初めてになります。

 

 

しかし、長いペナントレースは広島が圧倒的な優勝を果たしています。ベイスターズとの差は14.5ゲーム差をつけています。この点から多くの専門家やファンからは「ペナントレース優勝の価値」ということを投げかける声が多かったのも事実ではないでしょうか。

私個人として、1日でも長く野球を観たいと考えるのでクライマックスシリーズの制度自体は賛成です。しかし、やり方を変えない限り不都合は解消されないと思います。(当たり前ですが…)

ひとまず、クライマックスシリーズの概要を復習してみましょう。

 

 

クライマックスッシリーズ(CS)

現在のクライマックスシリーズの制度は2007年から実施されています。2017年で11回目を迎えるわけですね。現行のし組みは2位と3位が3戦2勝制のファーストステージを戦います。勝ち上がった方はリーグ優勝チームとファイナルステージを7戦4勝制で争います。両リーグで勝ち上がったチームが日本シリーズを戦う仕組みとなっています。

ファーストステージもファイナルステージも順位が上のチームの本拠地で戦い、ファイナルステージは優勝チームにアドバンテージとして1勝が与えられてのスタート。

大きな仕組みに関しては多くの方が理解していますね。少しさかのぼると、2004年から2006年までパリーグだけですがプレーオフの制度もありました。

少しわかりにくい制度だったのですが、ペナントレースはプレーオフに出場するための予選リーグ扱い。プレーオフに出場するのはペナントレース上位3チームは変わりありません。しかし、プレーオフで勝ち抜いたチームがリーグ優勝の扱いになっていました。

この仕組みで紛らわしいことが起こったのはプレーオフ初年度の2004年でした。公式戦ではダイエー(現ソフトバンク)が2位の西武に4.5ゲーム差をつけて1位となります。しかし、プレーオフで西武が勝ち上がったためにペナントレースは2位の西武がリーグ優勝という扱いになったのです。

不思議な現象もありましたがプレーオフをしたおかげで、野球界の収入は増加し、2007年からはセリーグ、パリーグ共にクライマックスシリーズとしてポストシーズンを行うことになります。(2008年から優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられる)

クライマックスシリーズが始まって、ペナントレース優勝チームが日本一になったのは2007年の中日(ペナント2位)と2010年のロッテ(ペナント3位)となりますので、いわゆる「下剋上」の可能性はあることになりますね。

個人的な見解として、やはり「下剋上」が起きてしまうことは腑に落ちませんね。ペナントレースを長い期間かけて行い、優勝したチームが日本シリーズを戦えない…。違和感があります。

そこで、世界野球の最高峰、海の向こうのメジャーリーグではどのようなプレーオフなのかを改めてみることにしましょう。

 

 

メジャーリーグのポストシーズン

メジャーリーグのチーム数は30。それを聞いただけでも規模の違いを感じてしまいますね。そして、日本と同じ2リーグに別れています。アメリカンリーグとナショナルリーグ。15チームずつに分けるのですが、さらに3つの地区に分けています。

西地区、中地区、東地区の3つに5チームずつ分かれています。ちなみに、ニューヨークには「ヤンキース」と「メッツ」がありますがヤンキースはアメリカンリーグ東地区、メッツはナショナルリーグの東地区となり、ニューヨークに本拠地を構えるチームでもリーグが違いますね。

公式戦は日本の143試合よりも多い162試合。地区ごとに優勝チームがはプレーオフに出場が決定します。そして、面白いのは、各地区で優勝チーム以外の勝率が高い2チームもポストシーズンへの出場することができます。つまり、各リーグの地区優勝チーム3チームとそれを除くチームから2チーム。合計5チームがプレーオフに進出。

アメリカンリーグ、ナショナルリーグから5チームずつの計10チームでワールドチャンピオンを決めるわけですね。優勝チームではない勝率上位2チームは「ワイルドカード」と呼ばれ、まずは各リーグのワイルドカードのチーム同士が戦います。

ワイルドカード同士の争いで勝利したチームと地区優勝の3チームを合わせた4チームでリーグ優勝を争い、勝ち上がったチームがワールドチャンピオンを決める戦いを行います。

チーム数が多いことからこのようなポストシーズンを実施できる側面はありますが、日本のような下剋上でトップに立つ可能性はほぼありません。ワイルドカードでポストシーズンを戦った場合でも3回のステップを踏んでリーグ優勝となるので結構、至難の技ですね。ワイルドカードで勝ち進んでも次のステージでは最高勝率の地区優勝チームと戦うルールにもなっています。

それから、どのステージでも7戦4勝制で、交互に本拠地を変えることも日本のクライマックスシリーズとは異なりますね。同様のシステムを日本の12球団しかない現状で実施してもクライマックスシリーズのやり方と変わらなくなりますね…。

 

ワールドシリーズ参考ページ

 

 

日本プロ野球界のポストシーズンのこれから

リーグ戦終了後でも野球が楽しめることは野球ファンとして本当にありがたい限りです。個人的に、1日でも長く野球を楽しみたいので(笑)

しかし、あくまでも公式戦の優勝チームには最大限の有利さを残さないといけないことも事実。2位3位チームはペナントレースが終わってすぐにファーストステージ。しかし、優勝チームは試合がないのでゲーム感という面からも不利ではないかとの声もありますね。

今回、セリーグ3位のベイスターズが日本シリーズに出場することから、ペナント優勝の価値についての議論やクライマックスシリーズの是非を問う声が再燃しています。

私の考えですが、チームを4チーム増やして16チームの4リーグにするか公式戦の順位のつけ方を変えるのがいいと思います。チーム数を増やして優勝チームが日本一を争うことにすれば余計なポストシーズンを開催せずにすみます。古田敦也さんもおっしゃっていましたが、地方にプロ野球チームがあることで活性化にも繋がるはずですね。ただ、社会人チームも現象している中、プロの球団を持てる企業がどれだけいるかでしょう。

12球団で行うならば…

セリーグ
A 巨人、ヤクルト、横浜
B 中日、広島、阪神

パリーグ
C 日本ハム、楽天、ロッテ
D 西武、オリックス、ソフトバンク

以上のように組み分け、ペナントレースや交流戦などはこれまで通り実施。順位をAからDの3チームの中でつけていく。組みの優勝チーム2チームが7戦4勝のリーグ優勝決定戦を行なって、その後、日本シリーズ。そうすればポストシーズンも開催できて長い野球シーズンを楽しめるのか…なんて考えました。

いずれにしても、クライマックスシリーズが実施され10年以上が経ちますが再検討の時期にさしかかっているのかもしれませんね。

 

みなさんは、どのような意見をお持ちでしょうか。

 

 

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